香水選びって、思った以上に難しくないでしょうか?
香りは感覚的なものだからこそ、自分に合う一本を見つけるのは簡単ではありません。私自身、いくつかの香水を愛用してきましたが、時間が経つと「慣れ」や「飽き」がやってきてしまうこともありました。
そんな経験をもとに、前回のブログでは、自分の好きな香水をAIに分析してもらうという試みをしてみました。今回はそこから一歩進んで、過去の失敗談と今後の香水選びのヒント、そしてAI分析によって見えてきた「共通点」について書いてみたいと思います
■私の失敗談
「ナイルの庭」(エルメス)を長く愛用していた頃、少しずつ飽きを感じるようになりました。香りそのものが嫌になったわけではありません。ただ、「次の一本」を探したくなったのです。そこで伊勢丹新宿に足を運び、新しい香水に出会おうとしたのですが——これが思った以上に難しかった。
自分の中で「軸」や「好みの基準」がはっきりしていなかったため、なんとなく選んだ香りには心から惹かれず、結局ほとんど使わないまま終わってしまいました。
それ以来、「新しい香水を買いたい」という気持ちがあっても、自信が持てずに手が出せない、いわば香水迷路の中にいるような状態が続いていました
■失敗から導いた香水選びのヒント
このままではいけないと思い、香水選びに「手がかり」を設けることにしました。
私が注目したのは、ブランドと調香師という視点です。
たとえば、Aesop(イソップ)の香水は、マラケッシュとタシットを持っていますが、どちらもウッディ・スパイシー系で、全体的に似た系統の香りが多いため、比較がしやすく感じました。
また、エルメスの「ナイルの庭」は、ジャン=クロード・エレナさんが手掛けた「庭シリーズ」に属しています。このシリーズには似たトーンの香りが揃っており、調香師をひとつの視点にすることで、自分に合いそうな香水の輪郭が見えやすくなる気がしたのです。
そんなところから、次に使いたい香水を3点あげてみたいと思います。
‐エルメス 屋根の上の庭
こちらも、以前試した程度ですが、良い香りで次の一本として候補に入れたいと思っていました。
‐エルメス 李氏の庭
李氏の庭に関しては、以前に使っている時期もありました。したがって、リピートしたいという意味合いの方が強くなります。キンカンのような甘くもあり柑橘を感じさせる香りが好感を持てる香りでした。
‐イソップ オルナー
現時点で、イソップの最新作の香水です。タシットと親近感を感じると思ったら、なんと同じ調香師のセリーヌ・バレルさんという方が手掛けたとのこと。まだ、試しただけなので、次の候補を検討するタイミングで本格的に考えてみようと思います。
■AIを使って分析をしてみると
実は、イソップのほかの香りも購入しているので、それらの好き嫌いをAIに入力しつつ、上に挙げた香りが好みに合いそうかアドバイスを聞いてみました。
まずは、屋根の上の庭と李氏の庭について聞いてみたところ、以下の様な表を返してくれました。
‐李氏の庭
✅ 共通点と類似性
比較ポイント | 李氏の庭との共通点 | 類似している香水 |
---|---|---|
トップの柑橘系 | 金柑の爽やかさ → ナイルの庭のグレープフルーツ、タシットのユズと近い | ✅ ナイルの庭/タシット |
グリーンハーバル感 | ミントや軽いグリーン → タシットのローズマリーやミントに近い | ✅ タシット |
フローラルの柔らかさ | ジャスミン(控えめ) → マラケッシュのフローラルに通じる | △ マラケッシュ |
ベースのウッディ | ほのかにウッディで落ち着いた余韻 → 3本すべてと共通 | ✅ すべて |
スパイシーさ | ほぼなし(穏やか) → マラケッシュやタシットのクローブやカルダモンほど強くない | ❌ やや違う |
🧭 結論:あなたの好みにかなり近いが、やや「静けさ」が強い
「李氏の庭」は、あなたが好む「グリーン」「シトラス」「軽やかなフローラル」「ウッディ」要素をしっかり持ち合わせています。
特にタシットとナイルの庭の中間のような存在で、
- タシットのハーバルグリーンな雰囲気
- ナイルの庭の水辺のフレッシュさ
をより静かに、詩的に表現した香りです。
ただし、スパイスや濃厚なフローラルが好きな方には少し物足りない可能性もあります(マラケッシュが好きなら特に)。
‐屋根の上の庭
✅ あなたの好みとの比較分析
比較ポイント | 屋根の上の庭 | 類似する香水 | コメント |
---|---|---|---|
フレッシュな立ち上がり | 青リンゴ・洋ナシの瑞々しさ | ✅ ナイルの庭/タシット | 「果物」由来の酸味と青みがナイルの庭のグリーンマンゴーと少し似ています |
グリーンハーバル感 | 草、ローズマリー、バジル | ✅ タシット | 「草っぽさ+ハーブ」の爽快さはかなりタシット的です |
フローラルの繊細さ | マグノリアとローズ(控えめ) | △ マラケッシュ | あくまで補助的で、甘さはかなり控えめ |
ウッディ・アーシーな残香 | オークモス、シダーウッド | ✅ タシット/マラケッシュ | ナチュラルな温かさが好みと一致 |
スパイス感 | ほぼ無し | ❌(やや物足りない) | スパイスが印象的なマラケッシュとは違う方向性 |
🧭 総合評価:かなり近いが、フルーティさがカギ
「屋根の上の庭」は、あなたの好きなタシットとナイルの庭に近い方向性を持ちつつ、やや「果実の青さ(リンゴや洋ナシ)」が主役に立った香りです。
どちらの分析も、以前に私が好きとインプットした情報に照らして検討してくれています。
それぞれに一応に総合評価を返してくれています。どちらも似ているものの+αの部分が異なるという評価です。
ここまで教えてもらえると、AIの診断も参考にしたいという気持ちになってきます。
そして、次回の記事ではさらに、情報を与えることで、チューンナップされた回答をもらったので、それについてご紹介しようと思います。
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